2009-03-29

丸善とジュンク堂 - あるファンの叫び

丸善とジュンク堂。日本で最も好きな本屋です。黒船にとっては、東西の両雄。横綱です。どちらも、他の大手本屋にはないマニアックなものがちゃんとある。思うにサブカルチャー分野を削っているだけに、専門書を充実させることができているんじゃないですかね? 金融にしろ、スポーツ関連や児童書にしろ、いつも「かゆいところに手がとどく」充実ぶり。もしかして自分を上回る専門家が店員の中にいて、ちゃんとカンドコロを押さえた良書を選んで置いてる?とすら感じるぐらい。丸善に至っては、電子辞書の売り場に辞書オタクの店員さんがいたときには(そりゃ、偶然かもしれませんけど)感動しましたよ。

この両社、どちらも実は大日本印刷(7912)が親会社。ペーパーレス化する世の中で、ICチップや電子基盤、LCDカラーフィルターなどの方向で多角化(キャッシュ余ってたし)してきた過去がありますが、おもしろいことに一方では紙を使う業態へ出資・強化。まあいいでしょう。

先週「三社業務提携」なる記事が出ていました。たしかにジュンク堂に洋書が増えたらいいし、丸善の店舗にイスが増えたらありがたいんですが、まさか丸善に健全企業・ジュンク堂をくっつけて IPO だなんていいませんよね? 大企業傘下に入るだけでも、有害な雑誌・本のコーナーが増えそうで嫌なのに。。 むしろ丸善も上場廃止にして、他と一線を画した本屋を続けて欲しいものです。ニッチ分野の巨人、ってのはマイケル・ポーターなんかも認める立派な経営戦略でありますので。

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2008-12-23

ジョン・レノン的クリスマス

欧米では11月からすでにクリスマスモードなわけですが(初旬から早くもグッズが売られ始める)、アメリカなど12月になると街はクリスマスソングがあちこちで・・というか、クリスマスソングしか流れていません。そればっかりのラジオ局もありますし。

以前NYに住んでいたときの経験ですが、この歌、12月の1ヶ月で何万回も耳にするんです。カフェやらタクシーやら。平和と平等を歌っているわけですが、今年は特にしみるなぁ・・と。

金融資本主義の失敗、民主党政権到来を前に、RichもPoorも、BlackもWhiteもないじゃないか、というのを(何回も何回も)聞くにつけ、ウォールストリートの面々は敗北感を新たにするんじゃないですか?

個人的にはそんなに大きな変化を想定しているわけではありませんが、ともかく時代の展開をこんな古い歌に感じてしまったので、おすそわけまで、であります。

メリークリスマス!

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2008-11-21

資本主義の死・・か

こういう大げさな論調が欧州のメディアや世間話では多いですが、日本ではどうでしょう?

たしかに金融機関のリスク規制は強化されるべきでしょうし、オバマ大統領で累進課税も高まって行くでしょう。銀行国有化はもっと出てくるかもしれない(先日のポールソンの発言だとGMやフォードにはおカネは入れないそうですが)。そういう意味でゲームの方向は代わりましょうが、歴史をひもとけば恐慌のときっていうのは政府の介入が増えるもの、こういう「市場の失敗」のときには政府の仕事が増えるもの。いつものことでしょう。そう言えば「石油の世紀」のヤーギンが「市場対国家」という現代史の教科書のような本を出していましたが、そこに描かれているような共産主義の影を感じながら資本主義を運営していた頃と比べれば、今回の振幅は小さいですよ。ニューディール政策や日本の「ふるさと創成」みたいなバラまき型にまで堕ちる気配もありませんし、健全健全。

先日お巡りさんをしている友人から、大マジメな顔して「金融マンは政府に入れ。これからは国家の時代だ」と言われましたが、政府だって訳の分からん銀行なんていつまでも保有してたくないはずですよ。そりゃいつか、市場が持ち直したときにPublic Offerで大量放出します・・それも巨額のキャピタルゲインとともに。

日銀が円売り介入で大儲けって話と一緒で、政府はある意味最強の投資家です。おカネが刷れるから・・というのもなきにしにもあらずですが、とにかく息が長い。含み損に文句を言う人がいない。バフェットやブランデス(←小野薬などの大株主ですがスティールとは違いますよ)のような超長期投資家みたいなもんです。日本の個人投資家もそれを目指しましょう。

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2008-09-02

福田・麻生と株・為替

政治がマーケットに与える影響と言えば、期待と信認でしょう。期待は株を、信認は通貨を動かします。

期待は元々低かったので、株が動いていないのは最も。ただ短命内閣を繰り返しているうちに確実に政治は弱体化していきますから、実際はネガティブだと思うんですが。。それに、麻生さんは経済をよくご存知なようなので個人的には好感を持っていますが(さすが経営者!)、彼が力を奮えるのは(本当に力があるとして)来るべき総選挙で自民が圧勝できた場合のみでしょう。そんな確率10%もないのでは!? ・・だとすると、ヘッジファンドのショートカバー(空売りの買い戻し)すら期待できませんね。ま、まずは麻生さんのメディアパフォーマンスを拝見しましょう。

信認という意味では、特に福田さんに傷つけられてきたものもないし、為替はむしろインフレ撃退と景気悪化のジレンマの中で動いてますから、株以上に今回は関係ないでしょう。為替(ユーロ等)はもしかしたら目先、小遣い稼ぎのチャンスかもしれませんね。次回あたり自説を書かせてもらおうかと思います。

おっと、豪中銀が利下げ! とりあえず買い戻されてますが、日本人の外貨預金が心配であります。。

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2008-07-25

金持ち父さん

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サブプライムでどうなっちゃったかな、とふと思い出しました。

「金持ち父さん」に関わらず、この類の本の多くは不動産投資に積極的です。銀行はカネを貸してくれるし、金利は税額控除、しかもアメリカでは少なくとも住宅価格なんて上がって当然だった。2001年の不況のときでも(指数で)10%程度の軽微な調整。

昔アメリカにいた頃に恥ずかしくも買い込んだ「金持ち父さん」シリーズ(←本屋に山積みになっていたものです)のいくつかを読み返すと、たしかに90年代後半に出した元祖「金持ち父さん」では少なくとも借金してのマイホーム取得は戒めています。キャッシュフローやバランスシートの管理を一般アメリカ人に分かりやすく解いた功績は立派。でも、2000年代に入ってからの著作では段々と不動産強気バイアスが。。

どうも実例等を読んでいると「結局は不動産の値上がり益じゃん」みたいな印象を持ったものです。また「自分のスモールビジネスを持つ」のが王道とされていますが、これも景気が悪いと話が違って来るはず。

そりゃあ、やがて景気は持ち直すかもしれませんが、日本みたいな国で一度破産をしてしまったら、同じサクセスストーリーを歩み直すことはできないでしょうね。やっぱり、ある特定の期間の特定の国(=グリーンスパン議長下のアメリカ)での成功例があんまり一般化して受け取られるのは不健全だと思う訳です。キヨサキ氏も住宅バブル崩壊後の今ならきっと違った風に本を書いたでしょう?

・・というわけで本の紹介をしたくなりました:「まぐれ ー 投資家はなぜ運を実力と勘違いするか」と "Black Swan"(新刊のため未邦訳)。「これまでそんな例はなかった」ことが、より長い歴史では案外珍しい事象ではなかったことや、予想されていなかっただけに起きたときのインパクトが余計に大きくなる、という話。すごい本です。おもしろいですよお。

「9・11なんて予測できなかったでしょ? 僕たち人間には未来のことなんてちっとも分からないんだよ」という話なんかも入ってます。考えさせられるところ大、です。

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2008-06-21

日中印「アジア三国志」

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The Economistの元編集長ビル・エモットの著書で和訳が出ましたね。広告やインタビュー記事が日経などに出てました。(日本語版のタイトルや表紙がちょっと??なので、原著"Rivals"の表紙も貼付け〜)

「日中印」という三国のくくり方には強引さを感じないでもありませんが、たしかに1)アジアから大国が複数輩出されるのは初めてのこと、2)三国間のパワーゲームは過去の欧州に似てくる、3)欧州のようにブロック化すれば更に強大になりうる、という話はおもしろく、ひとつのフレームワークとしてアタマに入れておいて損はないのではないかと思います(米欧はもちろん、ロシアやブラジル、中東産油国も忘れちゃいけませんが)。

ちなみに、北朝鮮に尖閣諸島、チベットにミャンマーはこの「三国」の国境に位置する地雷なので、三国ならびに米欧の関わり方に注目。それから、欧州におけるECの役割を果たすかもしれない機関として、East Asia Summit (EAS)東アジアサミット)というのが頻出してます。うーん、知らんかった。ニュースも少ないですね。

株的にはブロック化がうまく行った方がいいかもしれません。行き過ぎは白人社会が許さないでしょう。しかし、トータルでアジアは相互補完して栄える。世界の資産運用の現場は完全に「汎アジア」化して、日本は完全にアジアに一部になる。すると、「世界における日本のウェイト」で書いたような「日本は世界の中では『誤差』だからグローバルポートフォリオの中では保有しない」というオーストラリア化は少なくとも避けることができます。ああ、さびしい。でもこれが日本の生きる道かもしれません。

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2008-04-29

世界における日本のウェイト

クイズ

さて、日本の株式時価総額は世界の何%あるでしょう?

答えは、9%。これはMSCIやSP Global 1200といった先進国(特にアメリカ)が大きめに出る指数でのこと。ただガーナやスリランカまで含めた全世界ベースでも8%(出所:Bloombergに一部修正)と変わらず、「1割弱」というのが株の世界での日本のウェイトです。

バブルのときに世界の半分を占めていた、みたいな話は異常値として、今現在で比べると、アメリカが29%、英独仏を合わせて15%、中国5.8%/香港4.3%(←この二つは主要銘柄がダブルカウントされているので合算しないように注意!)、インド、ブラジルがスイスやオーストラリアと同じく2.5%、ロシアは韓国や台湾と同じく1.5%前後。数字にすると意外に(枯れたとは言え)まだ大きいというのが印象なのではないでしょうか。

しかし、やはり日本はマイナーです。成長率が低いことはもちろんのこと、運用の現場では外国株は「汎欧州」「汎アジア」(=Asia ex-Japanという日本除くアジア)など地域でまとめてますから海外から見たら日本はサイズもない。実際、黒船のお客さんたちも、日本株担当者というのは着々と減っています。アジア株などへの転任/兼任化というのが多いですが、中には異業種への転職を余儀なくされるケースも・・。


誤差?

日本は「汎アジア」に入るには特殊でかつ大きすぎ、単独のアセットクラスとして存在感を保つには不足している中途半端なところにあります。恐いのは将来、オーストラリアのような「誤差」になってしまうこと。かの国は世界的な資源の産地ではありますが、世界トップ級のBHP BilitonやRio Tintoという鉱山会社がイギリスなどにも上場しているせいで、イギリスさえカバーしていればオーストラリアは忘れてもいい、ということになってしまっています。実際、グローバル投資家は「誤差」だとして、相当な大手でもオーストラリア専任のファンドマネージャーというのは置いていません。

日本もトヨタにホンダ、ソニーや松下にキャノン、任天堂あたりといったブルーチップ銘柄がアメリカの株価指数に入って本格的に取引され始めたりすれば、やはり「誤差」になってしまいます。うーん、アメリカが日本の息の根を止めようと思えば、日本のブルーチップのADRをNYダウに組み入れてしまえばいいのか・・。

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