2009-03-29

もうはまだなり?

相場、強すぎます。誰もがそろそろと思ってます。「もう降りたい」と。

しかし相場格言的には「もうはまだなり」。日本だけを見ていると3月末までの資金繰り対策・もしかするとPKO(Price Keeping Operation)で上がっているので、4月に入ると失速するように見えますが、アメリカで力強い政策が出て、世界のリスクキャピタルが戻りつつある、というのが話の本質でありますから、まだ強いままかもしれない、と。

ちなみにアメリカの政策の肝は、どれだけ借金が必要でもFedがちゃんと国債買い入れでカバーします、というスキームにしてしまったことで、将来のインフレやドル暴落のリスクはより高まってはいるものの、当座しのぎとしては強力なものを出してきたわけです。実際に誰が二束三文でローンやCDOを売るんだ、という疑問はたしかにありますが、きっとアメリカ政財界はもう握っているのでは? ま、とにかく、売れる以上はさすがに価値をゼロにまで引当なくてよいのでしょうから、買い手がいるという安心感だけでもよいでしょう。

業績発表シーズンが4月末から始まりますが、その辺りを織り込む形で「現実売り」となるのやら。。足元の騰落率を見ていると、信用不安があった銘柄が特に上がっていますから(アメリカで言うならシティー、日本ではオリックス、パイオニア)、業績が赤字だってバランスシートを大きく毀損する程度までいかなければ、マーケットは目をつぶってしまう可能性はありますけどね。

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2009-03-22

まずは金! ・・そして「金融相場」?

先週はFEDも量的緩和入りで、日・英・スイスに次いで米もジャブジャブ「通貨安競争」入り、というのがテーマでした。ジャブジャブだけに株にはいいはずです、セオリーでは。

ちなみに豪と欧だけがまだゼロ金利にも至らず、金融政策の余地を残していますが、豪は3%超のところにありながら利下げを休止する慎重ぶり、寄り合い世帯である欧は週末のFinancial Timesで書かれているようにECB自体には国債買い入れ等をする原資を持たないので、通貨高の可能性が依然として高くあります。(もっとも短期的には先週のオーバーシュートのより戻しでドル高に戻すかもしれませんが。)

まあともかく。主役は金!

サブプライムの空売りで大成功したNYのイベント・ドリブン型ヘッジファンドのPaulsonがAnglo Goldの大株主になったことが週末報じられましたが、ともかく各国で自国通貨の価値を下げようとしているのですから、ここは金。今度こそ1000ドル越えか?という期待が高まります。1500ドルだとか言っているブローカーもいる程です。。

株も為替と同じで、短期的には急すぎた「ベア・マーケット・ラリー」のより戻しで早くも下げ局面に入るかもしれません。これからのニュースフローは、AIG等のボーナスもらいすぎ批判と、こういった金融機関への政府の救済策(←ABS買取りのTALFが強化されたり、おそらくBad Bank構想のたたき台となりそうなものが作られたりする模様)、米銀のストレステスト(←10年前の日本の銀行の不良債権の査定と同じ)といった金融不安系のイベントと、4月以降の決算・業績予想という景気の"Realty Check"系。あまりいい方向に行きそうには見えないわけですが、織り込まれている「期待」は相当に低いので、サプライズの方向次第で上へも下へもブレやすいマーケットになってきます。

株が上がるとしたら、古典的な例ではまずは「金融相場」(≠ 実態で買う「業績相場」)ですから、ジャブジャブを背景にまずは金など貴金属、それから金融株、もしかしたらインターネット株などが上がる展開になるかもしれません。そういうときは業績が悪くとも、ネガティブ・サプライズさえなければ十分。資本査定が終わって資本注入が要らない・又は注入まで済ませた銀行株や保険株が魅力・・・とくに含み損が許される個人投資家にはチャンスとなります。

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2009-03-15

ベアー・マーケット・ラリー

前回の書き込みで「準備しておきましょう」と言った、相場の反転が先週のうちに始まったのかもしれません。このように下げ相場(特に景気がまだ下に向かっているときに)が瞬間湯沸かし器のように沸騰することを「ベアー・マーケット・ラリー」と言います。その寿命はたいてい1ヶ月弱から2ヶ月。上昇率は株価指数で1-2割・特に下がってきた銘柄は3-4割、といったところ(Citiやバンカメは先週だけで8割ぐらい上がったみたいですが)。

G20も無難に終わる模様(本番は4/2)。「大恐慌のときにFDR(ルーズベルト)が国際協調取り付けに失敗したことが、金融市場の更なる混乱を招いた」(←ゴメンナサイ、さすがにその頃のデータを自分で検証するテマヒマはかけていません)という歴史から、今回の景気刺激派(米英)と規制強化派(独仏)の不一致に注目が集まりましたが(←日経新聞がこれを取り上げていたかは知りませんが、FTは毎日のように書いてました)、結局は積極的な景気刺激策を支持する方向で一致したんでしょうか。さっきテレビでMerkelさんが「景気刺激パッケージも実行して効力を持つまで含むと時間がかかる」的なことをBrownさんとの共同インタビューで言ってましたが、その意味では既決のものに「更に追加で」刺激策が出てくるものとは限りませんが。まあ「各国一致」というアナウンスメント効果が大事なのです。何度も言いますが、再注目されているケインズの真髄は「気合いだ!」ですから。

相場は上がりたいのだと思いますので、厳しめの損切り基準を定めた上で、これまで下げすぎた金融株を買うのがいいと思います。すでに多少上がってしまっているものも、多少は上値を追わねばなりません。できれば弱めの日に指値で買いたいものですが。ただし、3月末も近いので、本当につぶれそうな会社は触らぬほうがよいかとも。。

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2009-03-08

引越しに思う / 相場観アップデート

長らくサボってました。引越しやら諸々ありまして。この引越し、不況以前から計画していたものではありますが、たまたま古い(←1930年代のものです。欧州は地震がないので石造りの家がよく保つ)のもあって家賃半分(!)のところに移れちゃったわけです。そしたら、今まで住んでた、エレベーターつきワンフロア・250平米の割高アパートはいまだに空き家。大家が「アメリカ人がすぐに入る」とか言ってたのに、キャンセルされちゃったのかな。あーあ、お隣さんたちは欧州家電メーカーをクビになったベルギー人と、ビッグ3のヨーロッパ支社に出向してきてるアメリカ人。これは「そして誰もいなくなった」になるな。。

しかし、家賃が半分の家に越しても、生活の質がさして落ちた感じはしません。むしろ「あーあ、もっと早く引っ越したかったな。今までの家賃がもったいなかったなぁ」ぐらい。かくして人々は不況に慣れていくのだな、消費は冷えていくのだな、というのが今回の感想。人は環境の変化に案外早く、容易に適応していくものです(←だからバブルは起こるのだ、とバブル崩壊の権威・ロバート・シラーが言ってます)。

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さてマーケット。基本シナリオは景気と共に直滑降継続ですが、短期の反転リスクにも備えるべきときでもあります。欧米各国株価指数で見て、1ヶ月半強で2割から3割近くの調整というのはある程度、日柄的にも調整幅という面からも十分に近い(アジアは為替や中国ばなしにサポートされているので参考にならない)。あとはカタリスト(トリガー)が出るか否かです。

為替もボラティリティー指数なども落ち着いてますし、国債市場も普通に株から逃げた流動性を吸収しだした(=各国長期金利は低下)ので、金融システム全体では末期症状ではない。今、マーケットを動かしているのは、金融不安・政策期待/不安なので、4月頭のG20や4月末には終わる米銀の「ストレステスト」。このあたりの着地は要注目。政策面では、IMFのように規制がどうやらと息の長い話はほどほどにして、気合の入ったケインズ型政策が施せるか(←ノーベル賞のクルーグマンも近著でそう言ってます)、各国協調姿勢が作れるか。個別銀行の方では、当面十分に資本はある、または増資したぞ、と見せられるか、でしょうか。

ただ、今のところ「ごめん、もっとクスリ入れて」となったCitiやHSBCの株価はちっとも反転していませんので、ストレステストが終わっても何ら悪材料出尽くし感は出ないかもしれません。その場合はむしろ、4月下旬から出てくる1Q(日本の場合は08年度通期)決算での出尽くし感形成(特にトヨタの生産調整終了ばなしのようなものを伴えば)という可能性もあります。

ともかく、今はアップサイド・リスクについてはあくまで「可能性」であり「準備しておきましょう」というに過ぎません。ただ1月上旬以降の下げは、金融不安色があまりに強く、もし市場が戻るとしたら、それは金融セクターの牽引によるものである可能性が高いでしょう。Citi株に妙味、というのが先週のBarron'sに出ていましたが(←潰れなきゃいいっていうような単純なものではないとは思いますが、オペレーションの方のリスクもありますので)、狙っている投資家は多いはず。これは高リターンのチャンスであります。

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2009-01-24

米政権とバブルの関係

株・為替ともにチャート的には支持線トライの微妙なところにやってきました。業績悪化に対して、オバマ期待・経済対策期待の綱引きで値崩れを止めている構図です。

基本的には、どんな対策も即効性はない上に、米国債バブル崩壊リスクも含むので、ガス欠・材料で尽くしで一段下げるように思います。あとはセンチメント。オバマのオーラでみんなが株を買っちゃえば、1−2ヶ月は強烈な上へのリバーサルってこともありえるかもしれません(値幅は10-20%ぐらい?)。

ただし。ザックリ思い出すと、ITバブルはクリントン政権末期、サブプライムバブルはブッシュJr政権後半、というわけで、普通は人気後半にクライマックスを持ってくるパターンがどうも多い模様・・そりゃ、偶然かもしれませんが。少なくともオバマにとって、今の不景気は前任者の失策なので、スタート時点の谷はある意味、深ければ深い方がいいとの見方もできます。まだ超本気、というほどではないかもしれませんよ。もっとも、今のうちに手を打っておかないと3年後の選挙には手遅れかもしれませんけど。

・・というわけで。短期のメインシナリオは弱気。ショートETFはまだキープ。為替もボラがなくなってきたし、今はこれくらいしか手がありません。

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2009-01-14

ETFの流行 ー 資産運用業界のパラダイムシフト

運用難の時代にはいつもコレ。「時代は繰り返す」であります。

下の英FT紙からの抜粋にありますように(ご参考)、この環境下でもETFが流行。会社によっては株安による資産の目減りを補って余りある新規資金流入があり、08年でむしろ増えたところもあるそうです。そこに出ているBGIは流入額が前年の3倍!何と景気のいい。。

フロントロードで5%、毎年のフィーが2%だとか、そんなに手数料を払ってもインデックスに勝てる投信なんて、このボラティリティーの高いマーケットでは特に少ないですから、そりゃETFに流れてしまうわけです(もっとも債券ETFが人気のようですが・・)。ちなみに、二つ目の抜粋は、ヘッジファンドが手数料を値切られている、という話・・。

ちなみに、もはや古典になりましたが、プロのファンドマネージャーもダーツ投げの猿も変わらない、というパッシブ運用の旗手はこちら: 「ウォール街のランダムウォーカー」

そもそも資産運用というのは「パーフォーマンスの9割がアセットアロケーションで決まる」とか「運用の優劣は4割がアセットアロケーションで説明できる」など学術研究がありまして、それは実感としても納得できると思います。もちろん個別株で勝てるときもありますが、それが偶然ではないと言い切れますか? それ以上に負けてきたことを忘れていませんか? また、別に運用のコスト・手間ひまの問題があります。リスクを取って勉強も山ほどして、一年後に指数にわずか1%勝ってもプロ以外は何にもならないでしょう。

もちろん、皆がパッシブ(ETF)に走ったときには逆にアクティブ(一般の投信やヘッジファンド)にチャンスが出てきますし、相場局面によって勝ちやすいときもあります。それゆえ「歴史は繰り返」します。しかし、より大きな流れとして資産運用の世界は変わるべき必然性があるように思います。アルファよりもアセットアロケーション。

株屋は個別銘柄の推奨よりも、保険や借金、不動産、動産も含めたトータルなアセットアロケーションをメシの種にするべきです。厳密にはお客さん個人個人が違ったアセットアロケーション・ニーズがあるはずですから。・・・目指すはプライベートバンカーでしょうかね。


EVIDENCE EMERGES OF INVESTOR FLIGHT TO ETFS
By Ruth SullivanPublished: January 11 2009 21:07 | Last updated: January 11 2009 21:07
Investors in the UK and Europe have been piling into exchange traded funds in the past year as outflows have risen from hedge funds and traditional long only funds.
BGI iShares, the biggest ETF provider, attracted net new assets of $25bn (£16bn, €18bn) in Europe in 2008, up more than 200 per cent on net inflows of $7.5bn in 2007. This offset the effect of falling markets on assets under management, which ended the year at $56bn, down from $58bn a year earlier.

HEDGE FUND MANAGERS RESIGNED TO FALLING FEES
By Steve JohnsonPublished: January 11 2009 18:48 | Last updated: January 11 2009 18:48
Hedge fund managers accept that the fees they can charge for their services are likely to fall, according to a survey conducted by bfinance, a consultancy.
Until last year demand for hedge funds largely exceeded supply, allowing the typical fund to charge a 2 per cent flat fee and a 20 per cent performance fee, significantly greater than the charges levied by the vast majority of mutual funds.

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2009-01-13

ユーロの弱み 円の弱み

・・・ここもと、為替ブログになりつつあります。

金曜日と月曜日で、S&Pがスペイン、ギリシア、アイルランドのAAA格にウォーニング。英FT紙は、次はイタリアとポルトガルだろう、と報じています(←さもありなん)。この辺は昨年秋からドイツ国債(Bunds)とのスプレッド拡大という形で市場に警戒が出てましたので、驚くに値しません(←こういう国々にAAAが付与されていたことが驚き)。たとえばスペインですが、昨年5月頃に20bp(0.2%)だった対独スプレッドが90bp越えまで広がっていましたので。恐ろしいことにこれまでのECBの短期金利下げが1.75%も(明日で2.25%か)もあったのに、スペインやイタリアの長期債金利は1%前後しか下がってこなかったこと。おお、苦しい国ほど利下げ意味なし。

ドイツが景気対策で「今年はGDP3%分の単年赤字(←EUROの「原則的」な規律。累積赤字の方はGDPの60%)を超えてしまう〜」という危機的(?)なニュースがこちらでは頻繁に流れていますが、同FT記事によりますとポルトガルは12%分(単年)、イタリアは104%(累積)だそうで(←日本は地方込みで200%行ったと聞きましたが・・)、ホントに悪い方も見なきゃダメですよぉ。やっぱり「いつかはハジケる」と思いつつも目先の逃避先は米ドルか・・。

それから円。今日は日経新聞がやってくれました。ソニーと東芝の今期赤字転落・・って金額はともかく、赤字予想にちゃんと入れ替えていたアナリストも多いようですが、やっぱり日経が書くとダメ押しになるんですね。日経は「悪材料出尽くし」になることが多いですが、今回はロング・ウィークエンド明けの円高と重なっちゃいましたんで。それにしても日本は為替に脆弱です。円高で儲かる会社がもっと欲しいところです。ユニクロ(9983)やニトリ(9843)みたいなのが。円は財政の悪化という意味では元々悪いので、マーケットからすると相対的に「よい」のですが、経済と政治のもろさ、デフレリスク故に円高は持続しないかなと見てます。一応ドル円の買いを下で指しておきましたが、どうなりますやら。

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2009-01-12

株安・資源安・ドル高 か

さて「デフレの影」で書きましたように、週明け早速ユーロが売られ始めています。とりあえずは15日のECB利下げ(BOE同様50bpカットがコンセンサス)を目指して売られるというのが、基本シナリオですが、住宅ファンダメンタルズが違うとはいえ、ポンドは8日の利下げを前に逆に買われた(買い戻された?)経緯がありますから、ユーロとて「織り込み済み」で反転という可能性を含んでおかなくてはなりません。ですから、考え方としては「ボラティリティーのロング」で、上へも下へも動きの大きさをトレードする局面だと思います。でも当面は対ドルで1.4ー1.3のレンジを破るようにも思えないので、損切り設定は厳しめに。「ポジションと結婚」してはいけません。

ユーロドルのレンジですが、上述のレンジを破るのはいつか、何によってか。ドイツなどの案外堅調なクリスマスセールの話、ECBでさえそろそろ利下げ余地がなくなってくること(15日で2%まで下がる見込み)から、再びユーロ高の可能性もあります。ただ、より大きな見方では「不景気はドル高」という動きが一服していない可能性も高く、こちらの方がメインシナリオかなと思ってます。まだ不景気の深さ・長さという点で煮詰まっていませんし、新大統領が対策を出し続ける流れ、米国債バブル崩壊は(今のところ)見られず、ということで、短中期では「株安・資源安・ドル高」、ということで納まりがいいのではないでしょうか。

ーーーーー

ところで株安と言えば、ここ数四半期は業績発表シーズンには必ず下がってます(ほとんどの場合は暴落)。今回もこれまでよく保ってきたので怪しいと思っています。長期の仕込みの機会を待つとともに、ここはショートを(たとえばETFで)振るべきときかとも見ています。

ちなみに「業績シーズンの前に」の続きです。米S&P500のコンセンサスEPSですが、先週(インテルなどで)からまた下げ始めました。2009年度もついにマイナス圏入り(!)。もっとも欧州(Stoxx600)を見たら、12月26日からすでにマイナス成長になってましたけど。
27/Jun Q4/08 +50.2%, 2009 +18.0%
26/Sep Q4/08 +34.3%, 2009 +22.5%
26/Dec Q4/08 -11.9%, 2009 +4.5%
02/Jan Q4/08 -12.1%, 2009 +4.3%
09/Jan Q4/08 -19.7%, 2009 -2.1%(!)

株は少なくとも1ー2ヶ月では反転して動くものですし、リビジョン(業績修正)には特に弱い(←この辺は「新しい株式投資の考え方」参照)。

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2009-01-08

インテル再度下方修正。Fasten Your Seat Belt !

インテルが二度目の下方修正。予想を上振れだとかで気を吐いているのは、SUPERVALUだとかFamily Dollarだとか、ウォルマート的な安売りスーパーか100均的なディスカウントチェーンぐらいです。日本でも、マックスバリュやダイソーなんかは値持ちいいですよね(←あ、これは単に流動性(=出来高)が少なすぎるだけ?)。コンビニ株もディフェンシブだし。

ほかにもDollar Treeだとか99 Cents Only Storesだとか、アメリカらしい名前のチェーンの株価は堅調です。必ずしも業績がいいというわけではないのですが、足下の下ブレ懸念は小さいし、きっとバッタ屋仕入れ商法には今後の不況が追い風の部分もあるのでしょう。

でも大局観としては、やはり悪い(ご参考:12月29日記事「業績修正シーズンの前に」)。インテルは昨日6%下落。それを受けて台湾市場は現在、5%もの調整。最近は「マクロの悪化は無視」の市場も業績下方修正はまだコタえるようです。はやくも1月効果は終焉で、業績ウォーニングシーズン入りで株が下がる可能性が高まってきました。2月に10-12月決算の結果が出終わるまではまた下りのジェットコースターかもしれません。

東証の騰落レシオって、1ー2ヶ月の市場の変動を占うのに使えるのですが、今の115という水準は年に1ー2回ぐらいしかない高水準で、これ以上はないっていうピークの130に迫ってきてます(一方ボトムは60)から、短期的にはこんなもんでも十分加熱してた、と言うことができます。

株は一旦(またまた)死んだフリでしょうか。またいい買い場になりましょう。パニック、失意のどん底で買い増す、ということで行きたいと思います。

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2009-01-07

デフレの影(←日本じゃなくって!!)

「FEDがインフレ・ターゲット検討か」とのニュースが出ています。もちろん以前のように「インフレ・キャップ」ではなしに「デフレさせじ」です。同様の危機感は欧州でも出てきています。では日銀の日銀当座預金残高5兆円から35兆円のようにジャブジャブ給油か、というとそうでもないようで。むしろFEDのB/Sのアセットサイドを使って・・ということですから、やはり個別債権の買い付けかと。

それでも十二分に金融緩和的なんですが、やはりドルは売りづらいなあ的な感じはさせられました。そもそも、これまでの資産・資源インフレの戻しである限りはデフレも悪ではないように思えますし、中銀が個別資産狙い撃ち(上述)の値崩れ防止策もリスキーながらあり得るわけで。


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さて、目先の為替トレードでは、幸い予想通りドル高が進んでいますが、ちょっとお休み感が出てきましたね。金曜日の米雇用統計までは一旦手仕舞いたい向きも多いでしょうし(黒船も利食っちゃいました)。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」のレベルで言いますと、再スタートはまた週末以降になるかもしれません。ただユーロドルのチャートの「ひげ」が気になるで、こちらだけは小額ドルの買いを入れておこうと思いますが。

おっと、インドのITメジャーSatyam(サティヤム/サティアン)の粉飾決算のニュースが流れてきた。エマージング・リスクを思い知らされるときですね。この辺は好景気のときしか買っちゃいけません。中国からも何が出て来ることやら。。

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2009-01-03

やはりドル買い

新年おめでとうございます。

欧米はすでに平日モードであります。今年はJanuary effect(1月効果)が素直に始まったかどうかを、たった一日の上昇で論じるつもりは毛頭ありませんが、とりあえず2日の欧米市場は3%前後の上昇。ポイントは、ISMが弱い予想のはるか下に出てきたにも関わらず、これだけの上昇を演じたこと。またしても「マクロの悪化は無視」。いつまでそう言い切れるかは別にして、これくらいの悪化ならば「織り込み済み」ということのようです。

株を長期のドルコスト平均法と短期のトレード目的の「二重の手」で買うのも一つですが(←そのときはETFか低PBR銘柄がよさそう)、為替のドル買いもますます妙味が出てきました。ドル円の買いでは、この前書いたところから3円50銭動いており満足行く動きですが、まだこれから一段と戻す可能性が高いと見ています。

・・というのも、今の市場でドル高はセンチメント回復と同義であり、その意味で株高とマッチします。かつ、「金利の下げしろ」のなくなったドルは売られにくいのは事実。来週の非製造業ISM(6日)と雇用統計(9日)をストレステストとして無事に通過すれば後は、またまたの利下げが予想されている英中銀(8日)、そのうち利下げモードをより強めてくると期待されている欧州中銀(15日)の政策決定会合があり、やはりドルの比較的強い戻しの確率は高いのではないか、と。


まあ、以上は目先「何で稼ぐか」という小市民的な話でありまして、それはそれとして今後はより広くアイデアを紹介させてもらいたいと思ってはおりますが、ともかく2009年は景気がどこまで崩れるかとオバマが何をするのか(←どうして彼は大統領になれたのですか?? 黒幕たちがいる気がしちゃうんですが・・)を見定めたい年であります。特にオバマは何せ2012年、ひいては2016年までの長きに渡って世界の在り方を決めうる人間であり続けるわけですから。とてもリスクの高い、恐いことです。

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2008-12-29

業績修正シーズンの前に

年末ではありますが、四半期末でもありまして、年明けは恒例の業績修正、1月下旬からはアメリカの業績発表が始まるわけです。焦点は大幅下方修正されてきた現四半期(Q4/08)実績と、まだ楽観的に見える来期(2009)見通しがこの1−2ヶ月の間にどうなるか。

なんだかんだ言って、株なんて業績予想(期待)の変数でしかありませんから、その修正は「効く」ファクターでありまして、「リビジョン・インデックス」なんてものもプロの間では一般に使われているわけです。

ちなみに、米・S&P500の予想EPSがどう推移してきたかというと・・
27/Jun Q4/08 +50.2%, 2009 +18.0%
26/Sep Q4/08 +34.3%, 2009 +22.5%
26/Dec Q4/08 -11.9%, 2009 +4.5%
(注:9月26日時点で2009の予想が改善したのは、比較ベースとなる08がより下がったため)

・・と、常時ではありえないぐらいの大幅下方修正が行われたわけです。銀行や自動車業界の最近の動きからもお分かりの通り。。

基本的には下方修正含みですが、第一の焦点は、09年減益がコンセンサスになったとき(←もうあらかたそう思われているでしょうが、「遅行指数」日経新聞3面までがそう書いたときに)株価が持ちこたえられるか。第二に、今四半期ではないにせよ、逆に「ポジティブサプライズ」が出たときの戻り(上昇)の強さ。これを逃してはいけないわけです。

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2008-12-17

ドル買い勝負! (それがトレンド)

金利の日米逆転!・・と昨夜のFOMCですごいことになってきました。FEDのゼロ金利政策でドルが(対円はもちろんのこと他通貨でも)売られまくっていますが、はたして今後はどうだか。

ここもとの為替の決定要因はもっぱら金融政策で、そこ行くともうFEDはカードを切り尽くしちゃったわけです(← 今後はMBSなどを個別で狙い撃ちして買って行くようではありますが)。そうすると、昨日のFOMCまでを利下げ期待によるリバーサルだったと見なして、今後は利下げの余地のない通貨が相対的に買われる元のトレンドに戻ってくると言うことができます。

期待するトリガー(引き金)は、MOFの介入、欧州のサブプライム(いわゆるSIVによるオフバランス化はアメリカより欧州で顕著)あたりでしょうか。逆にリスクは、米国債バブルの崩壊(←いやむしろ、もっとバブるのでは? 他に買うものが無さ過ぎる・・)。

そもそも、ぶっちゃけた話、これだけボラティリティーが高く、各通貨の金利差も縮まっていると、FXの人たちにはやりやすいんじゃないでしょうか? 低レバレッジで期間も長めに取れれば、儲かる確率は高いのでは? ちょっとドル円、ドルユーロを買ってみようかと思ってます。その流れでは、ホンダ株の買いや金の売りなどもありですね。

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2008-12-12

GMよ・・ CDSはどうなった?

GMとクライスラー向けの救済策が上院を通らなかったということで大崩れしています。ただ、ここまで来ると、通っても買い、通らなくても悪材料出尽しで買い、っていう気はします。しかも金曜日ですし(「週末効果」というのは元々存在するとされているが、特に金融恐慌のときは金曜日引け値が底になりやすい)、短期と長期の「二重の手」としてはいい入り時になるかもなと見てます。

一つ忘れられているなと思うのは、GMのCDS。売り手の金融機関はみんな引当足りてるんですか??それから売り手によってはプロテクション発動になったときにキャッシュショートだったりして!? ・・とするとコツコツとプレミアム払ってきた買い手には保険が紙くず?・・と、GMが飛ぶとクレジット市場がまた一荒れ。LIBORやCP市場がまたガタガタするのは避けたいはず。とりあえず経営者と債権者をもう一段追い込んでから、最後に救い上げるってシナリオなような気がします。

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2008-12-08

January Effect ー 1月は上がる!?

・・というのは有名なアノマリー(市場のクセ)で「1月効果」とも言います。

その背景には11月の節税対策の損切り売り(アメリカの場合)、12月のウィンドウドレッシング(プロが年末に見栄えのよいようにポートフォリオをお化粧し直すこと)を経て、1月からヨーイドンで買い直すからだと言われています。

たしかに上のリンクはじめ、1月の好パフォーマンスは各所で実証されています。ただ、今年みたいな異常値の年に「法則」が働くかは疑問。年初には株のポートフォリオを見直す(買い直す)前に、全体のアセットアロケーションの見直しで、株を減らして債券を増やすだとか、そういう動きも混ざってくるかもしれませんので。。

とはいえ、オバマ政権発足とBig3救済と、イベントリスクは(上へも下へも)高いタイミング。先の「短期長期の二重の手」「ドルコスト平均法」的な考えで株を増やす計画が元々あるのならば、この年末は悪くない投資機会の一つかもしれません。

その中身ですが、個人的にはETFで十分と思っていますが、自動車や金融株もおもしろそうですね。このヘンはまた次回以降。。

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2008-11-25

シティー型救済はさておき・・

シティー救済でとりあえず相場は持ち直してます。

なぜ12月決算のシティーが11月というおかしなタイミングでこうも揺れたかというと、Wachovia買収の失敗でマネジメント交代観測まで出たのと、前々から言っていたオフバランスファンド(SIV)のオンバランス化による損失拡大でしょう。荒治療に一気にきたものと見られます。

もちろん規模やシンボル性の意味で、これ以上大きなものは出ないのかもしれませんが、政府がおカネをくれるうちに悪材料をなるべく多く出してしまいたいのはどこも同じでしょう(←毎四半期特損・赤字・リストラでは身が持たない)。遅かれ早かれ会計基準が変わるという話もありますし。その意味では国有化チックな動きは今後も続く。。

それくらいはほぼ織り込んできているようで、何とも心強い(?)限りのマーケットですが、FEDがおカネ使いまくってますから、太り過ぎて爆発しないといいなと願うばかりです。センチメントが回復するときの短期的な戻りもすごいとは思うんですが、流れとしては米ドル(通貨)とトレジャリー(財務省証券)のリスクは着々と高まってますね。これだけ景気見通しが悪化しているのに10年債の利回りなんか未だに4%近くから下がってこない。うーん、気持ち悪い。

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2008-11-13

業績下方修正ステージ真っ盛り

いやー、お決まりのパターンとは言え、業績下方修正が各国相次いで出てきております。昨夜などはIntelとBest Buy(米家電量販店最大手)ですから、いよいよ金融恐慌の実体経済への波及を確認する段階に入ってきました。クリスマス前に彼らの下方修正っていうのは、普通の年なら大ショックです。

2008年の期待はこうして剥げて、2009年企業業績トレンドがどうなるか、こちらは2月の各社アナウンスメントを見てから醸成されていくわけですが、09年一年を通して、これが上方修正されていくのか下方修正されていくのか、その辺りが大変気になります。まだまだ期待は下がり切っていないように見えるので、後者(09年も下方修正トレンド)をメインシナリオにしておいた方がいいとは思いますが。

例のOECDの景気先行指数はこちらのようにシャープに悪化中。さすがのブラジルも下降の兆しを見せており、もういいところなしです。腰を据えて、じっくり買って行きましょう。長期的には殖財の好機でありますから。

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2008-11-04

日本人でよかった!

先日の「二重の手」で指値がひっかかりまして、おかげさまで10月24日の底値でそこそこ買えました(20日と合わせて運用資産の1割分ほど)。さて、一度利食いましょうかどうか。。

さて、表題。「日本人でよかった!」ことと言えば、普段はどこの国の入国審査もすんなり通れることですが、今回は不良債権処理の経験がまだ新しいだけに、今後のシナリオを描きやすいことがあります。もちろん問題の根深さは違いますが(同じバランスシート不況でもアセットの相互連鎖、プライシング不透明感が違う)、流れを把握していることは強いのではないかと思います。欧米でもジム・ロジャーズがテレビのインタビューで「時間に任せるしかない」と日本の経験を引き合いにコメントしてたり、FTのウェブ版では竹中さんが「解決策を知っている人」として動画で出ておられます(←もし会員専用だったらゴメンナサイ)。

別に日本が不良債権問題の解決に成功したと言えるのか(犠牲大きすぎ/時間かかりすぎ)、日本の経験がそのまま使えるのかは疑問符のつくところですが、とにかく今後の流れは類推しやすい。すなわち・・・

「不振金融機関の国有化/資本注入 → いよいよ不景気 → ジャブジャブ金融政策 → 不況ゆえに金融不安再燃 → 資本注入第二幕 → 出尽くし感か何かの偶然で「ベアマーケットラリー」 → と思いきや景気指標も若干の改善を見せ始め事後的には「金融緩和の効果で景気底打ち」という判断 → いつの間にかブルマーケット」

今は「いよいよ不景気」ぐらいは織り込まれているんでしょうかね。昨日の激悪化ISMへの市場の反応を見るとそうかもなと思います。もっともマーケットは中期的には順バリなので、まだ景気と一緒に落ちる可能性が高めだと判断しますが。そして、「ジャブジャブ金融政策」はどこも1%の短期金利でも足りなくなって日銀がしたように「量的緩和」を他に手がないから打つ訳です。これはコンフィデンスの問題なので、やっても意味がないけど(←いわゆるケインズの「流動性の罠」)やらないと政府の本気度を信じてもらえないのでやらないといけない。

その辺が本当の大底になりましょうか。・・とすると、想定は2年ぐらいかけて大型の Head & Shoulder(逆三尊)チャートを描くイメージ(あくまでメインシナリオとしては)。ただ、あまりに下げがきつかったので下値更新はなく、むしろ三角持ち合いでレンジを詰めつつエネルギーを貯めていくかもしれません。ま、ともかくパニックや悲観の底で買うスタンスの継続です。

要するに悪化の方向ながらジグザクの大きい、中期的にボラティリティーの高い展開を想定していますので、損切りにしても買い付けにしても急がず、値段にセンシティブに行っていいのでは、と見てます。これは為替で大損している人も同じ。

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2008-10-22

「二重の手」その後

一応申告しておきますと、先日の指値の結果は一番上で買えたのみ(=運用可能資産の0.4%)。またそのレベル近くまで下がってきたこともあって、今日も下に一本指値。欧州株価指数のETFです。短期の戻りの可能性(←このボラティリティーですから)と長期投資の仕込み(←仮に減配がなければ配当利回りは5%超という事態)を兼ねての「二重の手」になります。

三菱UFJの業績不安で日本は下がったようですが、この手の下方修正はしばらく続くでしょう。今はLIBORスプレッド抑制だとか、金融危機のアッパーカットを下げようと各国(除く日本・日銀)必死ですが、ボディーブローは長く響きますよお。2009年(と2010年の見通し)がどれほど悪くなるやら。

バブルの始末はいつも時間がかかります。もっともその間の金融緩和で次のバブルの芽が密かに育っているというのも、これまたいつものことなんですが。

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2008-10-13

短期と長期の「二重の手」

これ以上の金融政策が効くかどうかという本質的な疑問が残るものの、今後の利下げ期待も含めて、これだけのものを見せられると(UKなんかはすごい腰の入りよう)、少なくとも売りは引きますし、空売りの戻しも含めて買い手は現れます。

ともかく。先日に書きましたような短期と長期のどちらかで見れば悪い判断ではなかろうという「二重の手」で、低い指値での買いを入れてみました(株価指数のETF)。仮に全部買えたとしても、運用資産の1割ですけど。これは現状の15%から将来的には最大で8割ぐらいまでは株式保有比率を増やさないといけない中でのほんの一歩にすぎません。

ここで買えなくとも、そのうち「二番底」があることも十分ありえるので、このようにボラティリティーが高いときには相場を追っかけたりはしません。むしろ痛みに痛んだ既保有の15%が戻るのを楽しみたいところであります。

ところで、最近の日本からの訪問客たちの言葉の端々から、どうやら日本では日本勢が世界の救世主、みたいな見方が浮上しているらしいことに気がつきました。でも三菱のモルスタ出資にしろ、野村のリーマンにせよ、およそ欧米の金融機関を買収してマネッジしようだなんておこがましいものではありません(野村だってリーマンのアメリカ本体は別)。日本人にできる範囲に留まった好ましいおカネの使い方だと思います。でも、救世主っていうより、おこぼれに預かったハイエナであります。そしてこの世界ではハイエナでよいのです。

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2008-10-10

もうはまだなり 2

ますます買いたくなりますが、ガマンしております。(そしてこれまでのところは、それで正解。)

足下起こっていることは、目先(短期)の金融危機と長期的な実体経済悪化懸念。このうち前者が大ピンチでLIBORは跳ね上がるは、盤石と思われた日本で生保が飛ぶは、で大変なわけです。ただし、金融危機というのは、期待の低い今度のG8がどうなるにせよ、最終的には政府が金融システムを丸抱えにして金利も為替も固定してしまう・・・ぐらいの信じられない奥の手まで想定すれば解決できること(ただし政府の財政を代償に)。そう考えると、この「陰の極」(らしき状態)で買わないのはバカじゃない!?と悪魔のささやき(=自分の欲)が聞こえてくる訳です。

いつも書いてますように、短期の当たり外れは確率論の世界でありますから、たしかに後で振り返ってみれば、ここが買い場だったのかもしれません。ただし、

1)投機(短期)で買いに行くにしても、こういうときは「二番底」がありがちですから、そこで入ってもよいのでは。せめて週末の政府筋の動きと合わせて、もうちょっと待ってみては?
2)景気は悪化初期。リスク見合いではもっと安く(低リスクで)買えるときが来るでしょう。

実際、短期投機にも長期の仕込み買いにも両方(=「二重の手」)できる性質のおカネなら、どっちかで勝てばよいわけです。

まあただし、短期的に戻るにしても何%取れるのか、長期的には更に下がある可能性が高そう、と考えると、マメにトレードする気と腕があるのでない限りは、クールに見過ごした方がよいように思ってます。景気の方はまだ悪化の初期。例のOECD景気先行指数が今日出ましたが、これは凄まじい悪さ。新聞などでP/EがXX年来の低さとか書かれていますが、なーんだ業績(E)下方修正が増えるのはこれからか、とむしろ弱気になってしまいます。配当の方が(減配が予想されるにしても)もっと気になりますけどね。

相当なチャンスでありますが、相当な危機でもあります。もっと各国政府からの強いコミットメントが出たときには、運用資産の1割ぐらいは買ってみようかと思っています。前述のような短期と長期の「二重の手」ですが。

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2008-10-01

米金融安定化法案 ー アッパーカットかボディーブローかだけの違い

先日の日記の直後にアメリカで7000億ドルのパッケージ案が出まして、その後株価は上下に10%ほどの大振幅。吐き気を催さんばかりのローラーコースターです。その中でも特に金融株はその倍ぐらい動いてますが、よほどうまいトレーダーを除いては誰も儲かっていないでしょうね。やはり乗らなくてよかったと思ってます(My Personal Accountの話)。

さて、そのパッケージ案が出て大暴騰、下院で否決されて大暴落で安値更新、その後上院追加と下院での見直し機運でちょっと戻して・・というのがこれまでの流れです。しかしそもそも、果たしてこの法案が通ったところでどれ程の効果があるのか、本当はそこが問われなくてはなりません。

1)効果の測定には時間がかかる
2)効果と言っても「何も起こらない」ことが目的なので、そもそも測定が難しい
3)TB(米国債)暴落の地雷がある中での巨額の財政出動は諸刃の剣。金融機関を助ける代わりに米政府がポシャっては元も子もない
4)そこまで極端にならなくとも「悪い金利上昇」リスクは高まる。金利高と、場合によってはドル高も重なって米企業は窒息(いわゆる「クラウディング・アウト」)

・・というわけで、通ったからといって喜べる法案ではありません。一撃必殺のアッパーカットをよける代わりに、後から効いて来るボディーブローをくらうようなものです。この話で株価が動くのは目先筋のポジション調整で(中にはファンド解約売りやマージンコールのような避けられない売り買いも多いことでしょう)、長期で投資する人は一喜一憂してはいけません。

ところでフランスやベルギーでも政府が金融機関にお金を入れる話が出てきています。ただアメリカとは規模が違います。60億ドルだとかそんな数字ですから。更に欧州では(豪州なども)金融政策の余地がまだありますから(=金利がまだ下げられる)、アメリカでTB暴落(=中長期金利上昇)でドル安にでもならない限りは、欧州や豪州は通貨安・金利低下で、債券高・株まあまあ(=他の国よりマシ)、という展開が期待できるように思います。円で資産を持つ人にあまり意味のある話ではありませんが。

金融政策の余地のあまりない国(日米)では・・・ "Cash is king" でしょう。まだまだ株は控えめでよいと思います。ドッシリ構えて少しずつ仕込んで行きましょう。

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2008-09-19

もうはまだなり

いやあ、リーマンどころかメリルが買収、モルスタもその噂と金融恐慌真っ盛りであります。

ピンチはチャンスでありますので、特に含み損が気にならない個人投資家には買い場?・・との気も致します。いろんな人が似たようなことを言っていますが、たとえば手元の名著・チャールズ・エリス「敗者のゲーム ー なぜ資産運用に勝てないのか」から引用しますと、「過去75年間の株式リターンのほとんど大部分は、上昇率ベスト7%の月に達成されている」「投資家は『稲妻の輝く瞬間』に市場に居合わせなければならない」とのことで、要は目先の上げ下げに踊らされずに長期投資をしましょう、という話であります。

たしかにこの下げはそそる。「株式の平均リータンは年率10%」だとかよく言いますし。しかし・・・そのブレは上下30%ぐらいあるもので、しかも長ーい歴史の中では下方30%のブレが2−3年続いたってちっとも珍しくなんかない。

実際、99年のITバブルの後の3年間(00−02年)、MSCIワールド指数は14%、18%、21%の下落ですから(TOPIXは26%、20%、18%の下落)。翻って今回は07年と08年のこれまでで、MSCIワールドが7%上昇と25%下落、TOPIXが12%下落と26%下落。いやぁ、まだまだ調整が甘いですなぁ。

(参考:過去20年の平均リターンはMSCIワールドで6%(年末ベース)、2標準偏差が34%。TOPIXは平均リターン−1%と2標準偏差50%。)

バリュエーション的には安いは安いですが、もっと安くもなり得ます。NYダウのPBRなんていまだに3倍以上だし。。バリュエーションなんてものは、いいときと悪いときで3倍は振幅しますから。

・・・などと言って、自分のPersonal Accountでの買いたい意欲を(← もちろん保有を少し増やすってだけの話ですが、それすらも)押しとどめています。しょせん確率論なので、「振り返ってみればここが底だった」ってこともあり得るわけですが、まあ、自分のやり方を押し通すとすると、ここでバーゲンハンティング(押し目買い)はないかな、と。

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2008-09-15

リーマン買収どうなる?どうみる?

リーマンの身売り交渉で米当局・金融機関首脳は週末おおあらわの模様。週末に何かあるのって、日本の90年代後半が思い出されます。。

ベアスターンズをちょうど半年前に買ったJPモルガン同様、サププライムで冒険してこなかった故に優等生として浮かび上がってきたバンカメが主な買い手候補として報じられています(←だから三菱はいいんだって言ってるのに、その後やはり「リーマンは買わない」発言で株が弱かった日がありましたね)。

これをもって半年前のベアーマーケットラリーの再現を期待できるかと言えば、そうではなさそうです。
1)マーケットに二度同じ技(?)は通用しない
2)ベアスターンズほど"Too important to fail"ではないので、ポールソン発言通り政府は助けない公算
3)バンカメはJPと違って中国政府系等のファンドとのコンソーシアムの模様。多少ビジネス上のベネフィットが期待できるバンカメとファンドとの折り合いがつくか不明
4)やっぱりGSやMSなど同業からの買収はうわさにすらならないし・・
5)本当の主役は住宅金融のファニーとフレディーだったのに!(今回のリーマンは商業用不動産のヤケド拡大)
6)他の金融機関も心配になってくる(AIGが近々に再建策発表。今週はGSとMSの決算発表。サブプライム三羽がらす・Citi、Merrill、UBSの決算は1ヶ月後)

結局バラバラかメルトダウンしてから買われて、歴史あるリーマンののれんは残らないかもしれませんね。大事件ながら今回の長い物語ではほんの一幕でしかありません。。こりゃあ、次の大統領が稼働するぐらいまで死んだフリしてるべきですかね。長期投資家のメインシナリオとしてはそのくらいでいいと今のところ思ってます(←でも長期なら、株式保有比率ゼロ%ではダメですよ)。短期の戻しのためにはもう少し日柄と下押し感が出ないといけない気がしますが、その辺は神のみぞ知るところです。

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2008-09-09

コカコーラ・中国でジューシーな買収

フレディーとファニーの件、多少はショートセラーがあぶり出されて買い戻しの流れになるかと思ったんですが・・・。ちっとも続きませんでしたね。こりゃ、相当深刻。ここまで悪いと逆に買いたくなってきますが、もう少しガマン・ガマン(例のOECD統計も悪化加速中・・)。

さて、先週のことではありますが、コカコーラが中国の果物・野菜ジュースの匯源果汁(1886.HK)に買収提案〜。既に中国で1−2割シェアのあるコーラですから、新規参入のような大げさな話ではなく、スケールメリット狙いと見てよいでしょう。ただ、買収額(180HKドル = 2500億円)は外資による買収規模として最大とのことですし、国益とも関係のない独立系企業(大株主は会長とダノン)ということで、中国政府の対応が注目です。

国民感情としては大反対だそうですが、世界のコーラの巨額買収にどう反応するのか。05年にCNOOCのUnocal買収が邪魔された報復、なんてしちゃうと世界から嫌われます。ここで大人の対応を見せれば(仮にアンチトラスト上の理由で結局不許可になったとしても)、中国株式市場への信認向上。「チベットもやらせ五輪も嫌だけど、株だけは別」って気がしてきそうですね。どうやら結論まで半年ぐらいかかるみたいですから、ノンビリ待ちましょう。(今しがたのTVニュースでは、会社側が反対したとのこと。会長とダノンは賛成したと先週報じられていたのに、どういうことでしょう・・。)

ちなみに今回の買収提案プレミアムは200%!(vs. 普通は20-30%)。とんでもない値なのは、匯源果汁の株価が相当下がっていたこと、高い期待(成長+シナジー効果)、それから上述の国民感情対策のためでしょう。これに吊られて他の飲料メーカーも上がっていましたが、同じ文脈で言うなら小売りも電機も、自動車も金融も有望ということになります。この買収話の行く末は楽しみではありますが、やはり世界のコーラがこれだけプレミアムを払っているというのは、中国市場の魅力を再認識せざるを得ません。いいタイミングで入って殖財しましょう。

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2008-09-05

FXで小遣い稼ぎのできるときか

為替はそのときどきでテーマが変わります。その時分によって市場が(参加者が)何を注目しているかで「効く」ファクターが各国のインフレだったり株価のパフォーマンスだったり、違ってくるわけです。

少し前まで豪ドルやNZドル、ユーロなどが強かったときは金利差であり、各国中央銀行がインフレ対策に利上げをする(ないしは利下げをしない)景気の「のりしろ」のだった訳です。でも、豪州中銀が利下げをするように(または今日のトリシエECB総裁のタカ派発言が少しの買い戻しすら誘発しないように)、金利はもう「いつ下げるか」というふうに見るものに変わってしまった(原油もグスタフが暴れても反応してませんね)。

するともう金利と言い、景気の期待値と言い、既に下げ尽くした米ドルや円が相対的に浮かんでくる、というのが新しいゲームの構図ですね。ユーロもそうですが、コモディティーでバブってきた豪ドルなんかは苦しいわけです。たかだか1ヶ月半ほど前から対米ドルで2割近く下げましたね。

短期的な下げとしてはかなり大きいので、下落開始後2ヶ月ぐらいでトリガー(←この場合は「アメリカはやっぱり悪かった」とか、米大手消費関連企業の業績ウォーニングなど)があると買い戻しによる反発は起こりやすい地合ではあります。

ただ驚愕するべきことに、東京金融取引所のデータ(これで世界の円対他通貨の建玉の1−2割はカバーできていると聞いたことがあります ←ホントならそれはすごいこと)では皆さん、ユーロや豪ドル、NZドルに買い向かっちゃってる・・。目先筋がちゃんと揃って空売ってきたならともかく、ナンピンを入れてたんじゃ、シャープな戻り(=買い戻しによる短期の戻り)は期待できないかもしれませんね。

一時的な戻りはともかく、当面の流れはドルや円の優位のようです。人民元も上げ止まったとは言え、さすがに下がってはいませんね。まだ冒険してはいけません。景気が悪ければユーロや豪ドルはまだ下がる可能性が高いですし、金融面の悪化も資金の本国還流という意味で、米ドルや日本円に優位です。つまんないですね。

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2008-08-28

MUFGのTOBに思う

つまんない話につまんない結論で恐縮です。

MUFGがアコムへのTOBによる出資増・子会社化のニュースが出ていますが(会社側は決定事実を否定)、つくづく思うのは、「そんな暇があったらメリルやリーマンを買え」という(一部の)投資家たちの身勝手さであります。

1年前の段階からそういう議論はありましたが、07年の8月ですでに手を出していたら大変な含み損になっていたわけです。先日ようやくユニオンバンカル(UNBC)という元々65%持っていた銀行のTOBが成立しましたが、こんな風に元々資本を入れていて「モニタリング」ができている会社でないと危険も危険(その意味ではアコムも同様)。「プロのくせに他行の資産精査もできないのか」という批判もあるのかもしれませんが、銀行資産の「パンドラの箱」性はこの1年でよく分かったこと。

要は「何もしないこと」も戦略の一つということですね。バブル後の日本での静岡銀行に見るように、敵失で浮かぶっていうのもアリだと思います。

もちろん今、日本の銀行株を買えというのではありません(← むしろ08下期の業績悪化が心配されている中国の銀行の方に興味あり)。国内中小企業景況感悪化は深刻。ぶっちゃけ、銀行株なんていうのはマクロ景気と政策の変数でしかありません。マネジメントのよしあしはあまり関係ない。・・・というより「銀行マネジメント」の定義に経営陣だけでなくて、財務省・日銀・自民党まで含めればより正確なのかしらん?


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2008-08-15

世界景気をウォッチする

夏枯れとはよく言いますが、相場は枯れに枯れています。。。

先週末ベースでS&P500の08年EPS予想がついにマイナス圏入り(←何となくそうなるのは分かっていたことではあるけれども)。景気見通しが予想以上(←少なくともオフィシャルに人々が言っていたレベルと比べると)に悪化したことで、さすがに政府のインフレ退治もようやくと功を奏してきました。ガソリンも下がってきましたねえ(拙ブログ「通貨高競争」で言った通りドル高にも)。


さて。景気の流れはますます世界同時進行化が進んで・・というより金融市場の方がより各国と世界の相関性が強まってきたここ数年。世界の景気をどうつかむかと言いますと、OECDの景気先行指数というのがあります。毎月10日前後の金曜日に出ます。以下のように功罪あるわけですが、ほかにいいものもないし、過去当たってきたので、外人投資家にはこれが好きな人が多いです。「前年比比較(YoY)」どころか「6ヶ月前比較(HoH)」などで血眼になって変化を先んじてとらえようと、プロはたいがい6ヶ月前比較を使います。

OECD景気先行指数
(+)網羅的。G7中心にOECD、更にBRICsまでモニターしている。
(+)少なくとも過去これまでは株価指数との相関性が高い(特に「世界の景気敏感株」である日本株と)
(+)ゆえに世界の投資家が景気温度を計るのに使っている(でも日々の運用競争に忙しいためか適度に無視してくれているので、逆にいつまでも有用である)
(-)発表が遅い(例.6月分の発表が8月8日)上に、事後調整が半年ぐらい続く
(-)国によるが3〜4分の1は株価指数や債券金利が構成要素になっており、「当たって当然」という側面もある
(-)当然統計なので「だまし」はある(上記のように金融市場のボラティリティーや下記のような本質外の動きが統計全体に影響を与えることも)

ちなみにこの6ヶ月前比較。G7ベースで今年の春先にプラスに転じたことがありまして、「もしや買い場?」と期待を持たせたものです。ただその好転は日本の急回復(少なくともHoHベースでは)によるもの。「なぜ日本が世界に先駆けて回復?」と疑問に思う向きもありましょうが、それはほとんどジョークで、かの悪名高き「建築基準法」改悪による建築着工の急減からのリバウンドに過ぎませんでした(爆)。あー、恥ずかしかった。

メッセージとしましては、個人投資家ならいっそ、この指数が上向きトレンドに入ったところでしか株は持たない、というやり方もあるのでは?ということです。プロは毎月・・どころか毎日相場に勝たないといけないので、そういう悠長なことは言っていられませんが、個人なら3ヶ月や半年の含み損なんて誤差でしょう。それは極端すぎるというのなら、アセットアロケーションに反映させてもいいかと思います。これが上昇トレンドのときは株は3割、下降トレンドのときは半分に削る、とか。

繰り返しですが、日本株が世界の主要市場の中では最も「景気敏感」。日本の個人投資家はこの指数を知っていていい気はします。理由は、国内投資家が(悪い意味で)トレンディー、かつ外人にとっては5年に一度だけいいとこ取りする「つまみ食いマーケット」でしかないから(爆)です。


最後に。終戦記念日ですね。先日アウシュビッツに行ってきましたが、「戦争は外交の一手段」だなんて言って開戦を決定するお偉さん方は、末端で人々がどれだけ狂うか、また恐怖にさらされるかを大きく過小評価する、というのが身にしみて分かりました。過ちを繰り返してはいけません。

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2008-07-05

相場観アップデート

カンタンに相場ですが、コンセンサス通りとは言え、ECB利上げ(3日)で「通貨高競争」をかいま見た感じがしますね。何気にスウェーデンなども同日に利上げしています。来週はバーナンキのスピーチ(8日)やBOEのミーティング(10日)がありますが、住宅バブル崩壊で利上げ余地の小さいこの米英が何と言ってくるか、このあたり注目です。

通貨は豪ドルとユーロでしょうかね。円は安くなる流れにあるとは思いますが、インフレ耐久力を理由に相対的に人気が出てくる(←目下の日本株の「相対的な」好調もポイントはそこ)と外人投資家のインフローが国内個人投資家の円売りを上回るリスクはあります(=円高リスク)。

株は一通り下げ過ぎましたし、Citi、UBS、メリルの追加損失の話も出尽くし感が出てきたので、あとは米国を中心とした企業業績(8日にいつも先鋒のアルコアから開始)等でポジティブサプライズがいくつか続けば(あくまで仮定の話)、とりあえず買い戻しで1−2ヶ月、指数で10−15%(個別で上がるものは大型株でも30%)ぐらいの上昇相場に転じる可能性はあるかと思います。「株は歴史的に見て最高のインフレヘッジ」だとか大義名分はいくらでも作れます。物色はそのサプライズニュースが何かによって変わりましょうが、単なる買い戻しという意味では金融株に妙味がある気はします。サミットもあるし代替エネルギー関連も上がって欲しいものですが。

ここまで下げると長期投資の好機でもありますが、まだ時期尚早でしょう。割安というだけで虎の子のおカネを突っ込んではいけません。バリュエーションというものは高いときと安いときで3倍は違います。この3倍の振幅はぶっちゃけセンチメントです。

ちなみに短期の株高の条件の一つはおそらくドルの回復であって、その意味でユーロや豪ドルが強いという見方とは矛盾します。トレンドはもちろん後者なわけですが、もし株が上がるとすれば「反トレンド」の動きが短期で起こるでしょう、という見立てです。

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2008-06-15

通貨高競争へ

いやあ、第一三共のランバクシー買収にはしびれました。その戦略、このタイミング。庄田社長、ご立派です。


さて相場ですが、流れが変わってくるかもしれません。

先のバーナンキG8でのポールソンはじめ各国がドル高是認。ECBなどはインフレ・タカ派でずっと通してますが、これが各国に飛び火してくるイメージでしょうか。特にアメリカはサブプライムが最悪期を脱した(らしい)という認識と景気悪化は予想程ではない(らしい)という認識から、今後は利下げから利上げモードに戻る時期を探る段階です。 

利上げで景気の過熱感を抑えるという伝統的なインフレファイターというより、利上げで通貨を上げて原油や穀物の購買力を高めようという通貨高競争のように見えます。こうなると利上げをしても景気が崩れない金利の「上げしろ」が重要になってきますが、そうすると始まったばかりの円安はまだまだ続くのかもしれません。

一方、購買力UPだけでなく、コモディティーへのマネーフローの引き締めという役割も担うドルは、二重の意味で高くされる必然性があります。しかもユーロと違って最近まで叩き売られていただけに戻りのモメンタムは強いはず。これはドル高円安加速でしょうかね。


株の物色としては、原油関連や鉱業、商社など資源アップストリームものは多少利食って、ハイリスクながら、原燃料高で悩んでる自動車、鉄鋼、化学などに妙味が出てくるところかもしれません。黒船は5000円ちょっとのところでトヨタなど仕込んでみましたが、原油価格とインフレに関連する要人発言などにらみながら、この辺りの物色を増やしたいと思っています。国としては中国、インドのリスクを取るよりも円安期待で日本株の(相対的な)好調に賭けた方がよいと見ています。

ちなみに、利下げ終了から利上げに入る局面は、通常は金融株の絶好の買い場。この1−2ヶ月で3割ほど下げたアメリカの銀行/証券株や、サブプライムなど大してないのに売られた日本の銀行株などは大変そそられます。11月決算のGSなどの四半期決算発表が今週ありますが、サブプライム三羽がらすのCiti、UBS、Merrillの追加損失ニュース(彼らは12月決算)を待つのが筋でしょうかね。


注意!)7月にはアメリカの第2四半期のプロフィット・ウォーニング、次いで決算発表が始まります。売上、費用ともにサブプライムと資源高の有事ですから、上にも下にもサプライズが出やすいです。要注目!(=今は本気で相場を張るときじゃないという意味)

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2008-06-01

Jパワーの泥仕合

ここまでもつれてきた

Jパワーとは「電源開発」のことですが、要は東電や関電など地方電力のための限界供給者です。電力会社に電力を「買っていただく」立場の弱い会社ですね。ここが「モノ言う株主」ともつれにもつれているのは各種報道の通り

いよいよ筆頭株主のアクティビスト・TCI(The Children's Investment Fund)が、他のJパワーの大株主の株にまで手を出してきました。みずほや鹿島だそうですが、「あんな株主軽視の会社を放っておくことは、君ら自身も怠慢・株主軽視だぞ」というロジック。

さすがに欧米サイドからも「日本だって国策以外の業種なら株主提案が通ることも増えてきたよ」(←先週のアデランスの経営陣再任拒否のように!)という人も出てきています。特に今回のみずほや鹿島にまでの出資については、FTの有名コラムLexでは「これは無駄だろう」とのコメント(ご参考に最後に貼付)。


栄誉ある撤退を?

TCIと言えば、ドイツ証取によるロンドン証取買収阻止、ベアリングによるABNアムロ買収阻止、などで知られる相当にうるさ方のアクティビスト。すでにざっくり推定250億円ぐらいJパワーで損しているし、今更タダでは引き下がれないでしょう。

だから、Jパワーは少し譲歩をして(=増配や積極投資の見直しなど)、TCIに「栄誉ある撤退」をさせてあげたらいい(ありそうにない話ながら)。そしたら株、上がりますよ。そもそもTCIのクリス・ホーンだかジョン・ホーを知る人の話によると、06年の買い付け開始当初は多少安易に見ていたフシがあったとのこと。そりゃ、Jパワーとくれば04年の上場当初から海外進出等で無駄遣いすることを公言していたスキだらけの会社でしたから。

ただ、超粘着系のファンドだけに、振り上げた拳はそうそう下ろせない。そりゃ、「立場が弱い」のでMETIや財界との関係が命のJパワーをターゲットに選んだのはおそらく失敗。でもおそらく心意気は「ネバー・ギブアップ」ってところでしょう。大損してますし、よくも悪くも世界中から注目されていますから。彼らの最終投資家のためにも、もうちょっと粘ってみせることでしょう。


三方一両損

Jパワーとしては妥協する必要などはなから感じていないのかもしれませんが、そもそもこの会社が上場している意味があるのか疑問。GDPの伸びない国の限界電力供給業者がキャッシュフロー赤字の投資を多年度に渡って続けるのはよいのか(投資の2割は海外ですが、それはそれで疑問)。まあ、フリーキャッシュフローの悪化は特にTCIが大株主になってから顕著ですから、完全に株主無視。

さりとて現段階ではTCIに勝ち目はありませんから、他の株主が売っぱらってしまえばいいのだと思います。中途半端な経営を衝かれたツケで株価低迷。最後には「株価は安すぎる」ということでLBO、非上場化で着地、という流れでどうでしょう?

ただし、その過程でTCIの撤退などで、ますます「日本=株主軽視」という見方が世界中に知れ渡ります。最悪のメディア映り。METIと言えば北畑次官の「バカで浮気で無責任」発言も困りもの。金融サイドから見ればむしろ、世界の情勢を見てJパワーに態度を変えさせるぐらいしてくれてもよさそうなもの。こんなことだから、TCIやスティールみたいな変わり種しか入ってこないわけです(爆)。

結論は、三方一両損。Jパワーは株価下落(経営陣は構っちゃいないだろうけど)、TCIは大損拡大、そして日本は世界での評価を下げる(もう下がり切ったかもしれないけど)。

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A letter to TCI
Published: May 27 2008 09:41 | Last updated: May 27 2008 20:25

Dear Mr Hohn,

As investors, we have applauded your ability to take on corporate giants and deliver returns. We are, however, concerned about The Children’s Investment Fund’s activity in the public utilities space. Look at that tricky court case over CSX, the US railroad, and the continuing tussles with J-Power in Japan.

Let us be clear: as long-term investors, we never expected a quick return on the Japanese utility (though the small gains on the stake, bought over the course of 2005-06, are disappointing). We support plans to improve returns by upping debt and dividends and slashing cross-shareholdings. But may we humbly suggest that further efforts to force change on an unyielding management might prove as fruitless as the attempt to lift your stake to 20 per cent earlier this year? It was a safe bet that, in a world where French yoghurt and American ports are off limits, Tokyo might frustrate a big foreign holding in a company building a nuclear plant.

As you repeatedly remind J-Power, we are all in this to maximise returns. We are, however, a little unclear as to how your latest gambit, to take stakes in companies that have friendly stakes in J-Power, achieves this for us, your investors. Indeed, there is an eerie echo that TCI is replicating J-Power’s cross-shareholdings. These positions are unlikely to prompt a change of heart at the utility and they may well prove a drag on our funds. Mizuho Financial, Japan’s biggest subprime casualty, expects to earn much the same this year as it did in 2006. As for Kajima Corp – unfortunately, few of us had even heard of this $4bn construction company – earnings per share are expected to almost halve this year. We do at least trust these acquisitions were made before the March rebound in share prices, since when both stocks are up by over 45 per cent.

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2008-05-25

割安株投資は王道か

割安株投資(バリュー投資)が投資の王道とされることが多いですが、多いに疑問あり、です。

安い(=PBRPERが低い)ってことは、少なくとも現時点では市場は「悪い」って評価してるわけです。世界中の投資家があらゆる情報(含.将来の予想)を使ってつけた値段が「悪い」って言っているわけです。それに安易に逆らってはいけない。

アメリカのS&P500指数のスタメン(1957年)の500銘柄のうち、今も指数に残っているのは86銘柄だけという話もあります。産業の栄枯盛衰は長期的には激しいわけで、今安いものが再び浮上するとは限らない訳ですね。

世界一の富豪ウォーレン・バフェットだって、「割安株投資の神様」と言われますが、それは彼の師匠格のベンジャミン・グレアムがコテコテの数字ベースのバリュー投資家だったからであって、彼自身は別に成長株投資の師匠筋(フィリップ・フィッシャー)を持っていたり、実際に単に安いだけで株を買ってはいない。何て言うか、微妙に安くて微妙に忘れられていながらも大変に時宜に合った銘柄を拾ってくるんですよね。ピンと来るか分かりませんが、この一年ではアメリカの鉄道株(Burlington North や Union Pacific)など大当たりでした。同じ時期に銀行株なども仕込んでいましたが、それはどうなったやら。。

それから。投資期間やその間耐えられる含み損の水準によっても、有効な投資スタンスは変わってきます。学説等によると、
・ バリュー投資 3−5年
・ モメンタム投資(勝ち組が更に上がることにベットするスタイル) 11−18ヶ月
・ リターンリバーサル(勝ち組が下げ、負け組が上がる) 1−3ヶ月(←黒船個人の経験則)

・・・とすると、教科書的な割安株投資をするためには「あなたはこの会社が3年後も生き残っていて、その後息を吹き返すと信じられますか?」との問いに「Yes」と答えられなくてはいけない。

今、たとえば日本での最高のバリュー投資は・・トヨタかな?
ちなみにバフェットは韓国のPOSCO(鉄鋼)は買っても、日本の会社は買ってません。これだけ安くなったのに、それだけでは不十分ということでしょうか。

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2008-05-18

パンチ・ドランカー・マーケット

取り急ぎ、相場ですが、前回書いた「相場は臨界点」のときよりも上昇シナリオの確率が高まってきています。その後、一度下げてから戻した、というに過ぎませんが、ムードはいかにも大方の予想に反して(←マーケットとはそういうもの)上がりそう。

ポイントは、悪いことが相当に織り込まれ尽くしている、ということ。月次の統計が悪いぐらいじゃもう効かない(金曜日の米国・消費者信頼感指数もその一例)。原油高がこれだけ上がっても効かない。

そうすると、6−7月の米国企業の業績修正シーズンまでリアリティー・チェックをする間がないようです。その間も、インフレや金融政策がらみでもネガティブ・サプライズはありうると思いますが、この「パンチ・ドランカー・マーケット」は倒れないかもしれません。こうなったら地震か戦争ぐらいしか彼をKOできないかも。。

要は、上げ方が気持ち悪いんで売りたいんだけれども、売る材料がない。逆に、仕方なくショートの売り手や株式をアンダーウェイトしていて後悔している機関投資家などが、弱気をギブアップして買ってくるようになると上がりますよ。誰も強気じゃないんだけど、買わざるを得ない。

03年や05年の上がり方もそうでしたが、特に日本株はそういうときに大きく上がりがちです。日本株専門のファンドマネージャーは納得していなくても、グローバル・アセット・アロケーションの方で「日本は割安だから」だとか「日本株は出遅れているから」とかの理由でゴソっと資金を割り当てられちゃうんです。既にその兆しは一部で見えてます。日経平均16−17000円もありうるかも!?

黒船は相変わらず「売り上がり」のスタンスです。あえて勝負をして何かを買いたい人は、やっぱり金融株や不動産株、資源株(←ただし日本の場合は住友金属鉱山やINPEXなど一部しか本当の資源株はないので注意)などインフレ・メリット・セクターでしょうね。これらは3月底値から既に相当上がってきただけに、相場全体が下げ出すと目も当てられないくらい下がります。買うときは厳しめの損切り基準を設定しましょう。

注)「パンチ・ドランカー」の言葉の使い方が間違っているのは承知ですが、イメージによく合うのであえて利用しちゃいました。そもそもドランカーって和製英語だし。

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2008-05-03

相場は臨界点

あばたもえくぼ

株ですが、変な上げ方してます。強度に「あばたもえくぼ」モード。金曜日など、三菱レーヨンは「大減益業績予想が好感」されて8%高(←下方修正常習犯なのに会社予想を信じるか!?)、ソニーは「前期若干の未達」との日経観測記事で3%高、戻し相場の代表銘柄・住友不動産は「前期想定通り」日経記事で7%高。海外も斗山重工業やジーメンスなど同様。要は、相場がことのほか強いので、ショート(空売り)の手仕舞いが増えているのでしょう。

ただ、経験則というか、相場の力学的には、ベアマーケットの後半で、1ヶ月半で20%の戻し(日経平均の場合)は「ベアマーケットラリー」としてはもう目一杯。今は単に、売る材料がないだけ。サブプライムも経済指標の悪化も無視。30日のFOMCではバーナンキは声明を引き締め気味に変えたように黒船には見えたんですが、これも市場は無視。

こうして売る理由がないまま上げ続けちゃうと、株高が景気回復の呼び水になるという期待が膨らんで余計に株が上がることがあります。そうなるともう早くも上昇トレンド・カムバックですね。今回のような大幅調整の後は、一気に40−60%ぐらいは戻すこともザラ。このまま行くと今度は「持たざるリスク」とか昔聞いたような相場転換期のキーワードが頻出してきたりして。40%上げるならまだ5合目ということに。あ、じゃあ、買わなきゃ?

臨界点も下降トレンド回帰を想定

しかし、黒船はまだ下降トレンドから抜けきっていないと見ています。月並みながら、強気相場を続けるには景気や企業業績の支えが弱すぎる。金融機関のリストラはまだ途上。アメリカでは何故か個人消費の方は減っていない(笑)けど、所得の方はしっかり急減速をしています。それにこのインフレ、いい加減もう利下げはできないかもよ〜、と。

示唆に富むのは先日のFinancial TimesのLexコラム。資本が足りているのにHBOS(スコットランドの銀行)が40億ポンド(8000億円)の増資をするのは何故か、というのがありました。今から増資するからには資産のデューディリはやっているはずで、結局P/Lの方が不安なんでしょうね。思えば、Citiもちゃっかり30億ドル増資を45億に増額したりしてたし。。極めつけはみんなのアイドル・バフェット。彼だって「景気後退は予想より長引き、深まる」と言っています。
http://jp.reuters.com/article/globalEquities/idJPnJT814898820080428

・・というわけで結論は、上も下も大きくブレうる「臨界点」ながら、基本シナリオは「戻り売り」。持たざるを得ない機関投資家ならさておき、個人投資家としては「売り上がり」のスタンスでよいでしょう。一日に指数が2−3%下げるような日があると、ベアマーケットに戻っちゃうかもしれませんが、当面は上がったものから徐々に売ればいいです。黒船も個人としては実際、先週後半にサムソン電機や中国のICBCあたりを売らせてもらいました。次は日本の不動産関連も外そうかと。。売ったキャッシュはそのまま待機資金として寝かすか、先進国のディフェンシブ銘柄に移すぐらいでしょうね。


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