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2009年3月の記事

2009-03-29

丸善とジュンク堂 - あるファンの叫び

丸善とジュンク堂。日本で最も好きな本屋です。黒船にとっては、東西の両雄。横綱です。どちらも、他の大手本屋にはないマニアックなものがちゃんとある。思うにサブカルチャー分野を削っているだけに、専門書を充実させることができているんじゃないですかね? 金融にしろ、スポーツ関連や児童書にしろ、いつも「かゆいところに手がとどく」充実ぶり。もしかして自分を上回る専門家が店員の中にいて、ちゃんとカンドコロを押さえた良書を選んで置いてる?とすら感じるぐらい。丸善に至っては、電子辞書の売り場に辞書オタクの店員さんがいたときには(そりゃ、偶然かもしれませんけど)感動しましたよ。

この両社、どちらも実は大日本印刷(7912)が親会社。ペーパーレス化する世の中で、ICチップや電子基盤、LCDカラーフィルターなどの方向で多角化(キャッシュ余ってたし)してきた過去がありますが、おもしろいことに一方では紙を使う業態へ出資・強化。まあいいでしょう。

先週「三社業務提携」なる記事が出ていました。たしかにジュンク堂に洋書が増えたらいいし、丸善の店舗にイスが増えたらありがたいんですが、まさか丸善に健全企業・ジュンク堂をくっつけて IPO だなんていいませんよね? 大企業傘下に入るだけでも、有害な雑誌・本のコーナーが増えそうで嫌なのに。。 むしろ丸善も上場廃止にして、他と一線を画した本屋を続けて欲しいものです。ニッチ分野の巨人、ってのはマイケル・ポーターなんかも認める立派な経営戦略でありますので。

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もうはまだなり?

相場、強すぎます。誰もがそろそろと思ってます。「もう降りたい」と。

しかし相場格言的には「もうはまだなり」。日本だけを見ていると3月末までの資金繰り対策・もしかするとPKO(Price Keeping Operation)で上がっているので、4月に入ると失速するように見えますが、アメリカで力強い政策が出て、世界のリスクキャピタルが戻りつつある、というのが話の本質でありますから、まだ強いままかもしれない、と。

ちなみにアメリカの政策の肝は、どれだけ借金が必要でもFedがちゃんと国債買い入れでカバーします、というスキームにしてしまったことで、将来のインフレやドル暴落のリスクはより高まってはいるものの、当座しのぎとしては強力なものを出してきたわけです。実際に誰が二束三文でローンやCDOを売るんだ、という疑問はたしかにありますが、きっとアメリカ政財界はもう握っているのでは? ま、とにかく、売れる以上はさすがに価値をゼロにまで引当なくてよいのでしょうから、買い手がいるという安心感だけでもよいでしょう。

業績発表シーズンが4月末から始まりますが、その辺りを織り込む形で「現実売り」となるのやら。。足元の騰落率を見ていると、信用不安があった銘柄が特に上がっていますから(アメリカで言うならシティー、日本ではオリックス、パイオニア)、業績が赤字だってバランスシートを大きく毀損する程度までいかなければ、マーケットは目をつぶってしまう可能性はありますけどね。

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2009-03-22

まずは金! ・・そして「金融相場」?

先週はFEDも量的緩和入りで、日・英・スイスに次いで米もジャブジャブ「通貨安競争」入り、というのがテーマでした。ジャブジャブだけに株にはいいはずです、セオリーでは。

ちなみに豪と欧だけがまだゼロ金利にも至らず、金融政策の余地を残していますが、豪は3%超のところにありながら利下げを休止する慎重ぶり、寄り合い世帯である欧は週末のFinancial Timesで書かれているようにECB自体には国債買い入れ等をする原資を持たないので、通貨高の可能性が依然として高くあります。(もっとも短期的には先週のオーバーシュートのより戻しでドル高に戻すかもしれませんが。)

まあともかく。主役は金!

サブプライムの空売りで大成功したNYのイベント・ドリブン型ヘッジファンドのPaulsonがAnglo Goldの大株主になったことが週末報じられましたが、ともかく各国で自国通貨の価値を下げようとしているのですから、ここは金。今度こそ1000ドル越えか?という期待が高まります。1500ドルだとか言っているブローカーもいる程です。。

株も為替と同じで、短期的には急すぎた「ベア・マーケット・ラリー」のより戻しで早くも下げ局面に入るかもしれません。これからのニュースフローは、AIG等のボーナスもらいすぎ批判と、こういった金融機関への政府の救済策(←ABS買取りのTALFが強化されたり、おそらくBad Bank構想のたたき台となりそうなものが作られたりする模様)、米銀のストレステスト(←10年前の日本の銀行の不良債権の査定と同じ)といった金融不安系のイベントと、4月以降の決算・業績予想という景気の"Realty Check"系。あまりいい方向に行きそうには見えないわけですが、織り込まれている「期待」は相当に低いので、サプライズの方向次第で上へも下へもブレやすいマーケットになってきます。

株が上がるとしたら、古典的な例ではまずは「金融相場」(≠ 実態で買う「業績相場」)ですから、ジャブジャブを背景にまずは金など貴金属、それから金融株、もしかしたらインターネット株などが上がる展開になるかもしれません。そういうときは業績が悪くとも、ネガティブ・サプライズさえなければ十分。資本査定が終わって資本注入が要らない・又は注入まで済ませた銀行株や保険株が魅力・・・とくに含み損が許される個人投資家にはチャンスとなります。

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2009-03-15

ベアー・マーケット・ラリー

前回の書き込みで「準備しておきましょう」と言った、相場の反転が先週のうちに始まったのかもしれません。このように下げ相場(特に景気がまだ下に向かっているときに)が瞬間湯沸かし器のように沸騰することを「ベアー・マーケット・ラリー」と言います。その寿命はたいてい1ヶ月弱から2ヶ月。上昇率は株価指数で1-2割・特に下がってきた銘柄は3-4割、といったところ(Citiやバンカメは先週だけで8割ぐらい上がったみたいですが)。

G20も無難に終わる模様(本番は4/2)。「大恐慌のときにFDR(ルーズベルト)が国際協調取り付けに失敗したことが、金融市場の更なる混乱を招いた」(←ゴメンナサイ、さすがにその頃のデータを自分で検証するテマヒマはかけていません)という歴史から、今回の景気刺激派(米英)と規制強化派(独仏)の不一致に注目が集まりましたが(←日経新聞がこれを取り上げていたかは知りませんが、FTは毎日のように書いてました)、結局は積極的な景気刺激策を支持する方向で一致したんでしょうか。さっきテレビでMerkelさんが「景気刺激パッケージも実行して効力を持つまで含むと時間がかかる」的なことをBrownさんとの共同インタビューで言ってましたが、その意味では既決のものに「更に追加で」刺激策が出てくるものとは限りませんが。まあ「各国一致」というアナウンスメント効果が大事なのです。何度も言いますが、再注目されているケインズの真髄は「気合いだ!」ですから。

相場は上がりたいのだと思いますので、厳しめの損切り基準を定めた上で、これまで下げすぎた金融株を買うのがいいと思います。すでに多少上がってしまっているものも、多少は上値を追わねばなりません。できれば弱めの日に指値で買いたいものですが。ただし、3月末も近いので、本当につぶれそうな会社は触らぬほうがよいかとも。。

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2009-03-08

引越しに思う / 相場観アップデート

長らくサボってました。引越しやら諸々ありまして。この引越し、不況以前から計画していたものではありますが、たまたま古い(←1930年代のものです。欧州は地震がないので石造りの家がよく保つ)のもあって家賃半分(!)のところに移れちゃったわけです。そしたら、今まで住んでた、エレベーターつきワンフロア・250平米の割高アパートはいまだに空き家。大家が「アメリカ人がすぐに入る」とか言ってたのに、キャンセルされちゃったのかな。あーあ、お隣さんたちは欧州家電メーカーをクビになったベルギー人と、ビッグ3のヨーロッパ支社に出向してきてるアメリカ人。これは「そして誰もいなくなった」になるな。。

しかし、家賃が半分の家に越しても、生活の質がさして落ちた感じはしません。むしろ「あーあ、もっと早く引っ越したかったな。今までの家賃がもったいなかったなぁ」ぐらい。かくして人々は不況に慣れていくのだな、消費は冷えていくのだな、というのが今回の感想。人は環境の変化に案外早く、容易に適応していくものです(←だからバブルは起こるのだ、とバブル崩壊の権威・ロバート・シラーが言ってます)。

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さてマーケット。基本シナリオは景気と共に直滑降継続ですが、短期の反転リスクにも備えるべきときでもあります。欧米各国株価指数で見て、1ヶ月半強で2割から3割近くの調整というのはある程度、日柄的にも調整幅という面からも十分に近い(アジアは為替や中国ばなしにサポートされているので参考にならない)。あとはカタリスト(トリガー)が出るか否かです。

為替もボラティリティー指数なども落ち着いてますし、国債市場も普通に株から逃げた流動性を吸収しだした(=各国長期金利は低下)ので、金融システム全体では末期症状ではない。今、マーケットを動かしているのは、金融不安・政策期待/不安なので、4月頭のG20や4月末には終わる米銀の「ストレステスト」。このあたりの着地は要注目。政策面では、IMFのように規制がどうやらと息の長い話はほどほどにして、気合の入ったケインズ型政策が施せるか(←ノーベル賞のクルーグマンも近著でそう言ってます)、各国協調姿勢が作れるか。個別銀行の方では、当面十分に資本はある、または増資したぞ、と見せられるか、でしょうか。

ただ、今のところ「ごめん、もっとクスリ入れて」となったCitiやHSBCの株価はちっとも反転していませんので、ストレステストが終わっても何ら悪材料出尽くし感は出ないかもしれません。その場合はむしろ、4月下旬から出てくる1Q(日本の場合は08年度通期)決算での出尽くし感形成(特にトヨタの生産調整終了ばなしのようなものを伴えば)という可能性もあります。

ともかく、今はアップサイド・リスクについてはあくまで「可能性」であり「準備しておきましょう」というに過ぎません。ただ1月上旬以降の下げは、金融不安色があまりに強く、もし市場が戻るとしたら、それは金融セクターの牽引によるものである可能性が高いでしょう。Citi株に妙味、というのが先週のBarron'sに出ていましたが(←潰れなきゃいいっていうような単純なものではないとは思いますが、オペレーションの方のリスクもありますので)、狙っている投資家は多いはず。これは高リターンのチャンスであります。

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